iMac(20-INCH MID 2007)のHDDが故障~Yosemiteになるまで

仕事柄パソコンは複数同時に動いているのだが、先日とうとうiMac(20-INCH MID 2007)が起動しなくなった。

電源を入れるとAppleマークが現れ、歯車がくるくると回り、ものすごくゆっくりプログレスバーが進行していく。
そしてプログレスバーが100%になると電源が落ちる・・・・
その繰り返し。

forever_progress

iMac mid 2007の発売が2007年8月でiMac early 2008の発売が2008年4月だから最低でも6年は経っている計算、その間ほぼノートラブルで最終的にはMemoryを4GBにしてOS X Mavericksで稼動していた。

電源も入るし、Appleのロゴも出てくるのでとりあえずハードディスクの故障かなと思ってみる。
幸い、近年は第一線を退いてiTunesでステレオ代わりにしたり、作成したWebサイトのチェック等で使用していたので消えて困るデータはない・・・が、やっぱり音楽ないとさびしかったり、ちょっと調べごとしたいとき不便なので復旧を試みることに。

今回の作業ではハードディスクの故障という予想のもとに作業しています。データの復旧はまったく考えていないのでTimeMachneからの復元とかデータのレスキュー等のプロセスは省いています、再インストールしてまた動いたらいいなって気持ちが前提なのでご注意ください。

SMC(システムコントローラー)のリセット
関係ないだろうなと思いつつ、まずはSMC(システムコントローラー)のリセット
といっても電源コードを抜いて15秒待ってもう一回電源を差すだけ

参考サイト
Intel-based Macs:SMC (システム管理コントローラ) のリセット

再度、電源投入・・・・やっぱり変化なし。

シングルユーザーモードで起動してfsck
次にいったん電源を落とし、今度は起動音後に「command + “S”」キーを押してシングルユーザーモードで起動

参考サイト
IntelベースのMacで利用できる起動時のキーコンビネーション

コマンドラインから”/sbin/fsck -fy /dev/disk0s2″を実行(最後の部分はディー・アイ・エス・ケー・ゼロ・エス・数字の2)
これは大雑把に書くとハードディスクのdisk0s2の部分に対して/sbinディレクトリにあるfsckというプログラムを”f”と”y”のオプション(フラグ)をつけて実行しなさいってことです。
“y”オプション(フラグ) fsckの実行中に発生したシステムからの問い合わせに対しすべて「Yes」で回答します
“f”オプション(フラグ) 問題ないと思われるファイルシステムも強制的にチェック

参考サイト
ディスクユーティリティおよび fsck を使用して、起動時の問題を解決する、あるいはディスクをメインテナンスする
fsckコマンドについての詳細はMac Developer Libraryのfsckの項を参照してください(英語)

そしておまちかねの実行結果
黒い画面に文字がずらっと並んでいます。
その中に
disk0s2: I/O error.とかnot recoverable.i_o_error

そして
** THe volume Macintosh HD could not be repaired.の文字も
not recoverable

はい!ハードディスク壊れてますね~

だがしかし一回くらいは再インストールを試してみようと思い立ち

”Mac OS X v10.6 Snow Leopard”のDVDを挿入して再起動。
起動音がしたらキーボードの”C”を押したままにする。Appleのロゴが出てきたらキーを離してDVDからOSを起動。

ディスクユーティリティを起動して”FirstAid”でディスクを検証後、ディスクを修復 → このディスクを修復できません・・・ですよね!

このあとパーティション消して再作成して再度”FirstAid”して無理やりインストールプロセスに進んでみましたが当然のごとく途中でインストールがストップ。

ここでオペレーションのみによる復旧は断念。

しょーがないので昔自作マシンで使ってたSATAのハードディスクが部屋に転がっていたのでハードディスクの交換を決意。

ハードディスク交換編

他のサイトやYoutubeを参考として自己流にアレンジして作業している部分もあるのでこれが正しい手順かどうかはわかりません。
たとえば、YoutubeではiMacを立てたまま作業している人もいますが液晶落としたら悲しいので私は寝かして作業しました。
今回は中古のハードディスクを使用したので再び作業するかもしれないのでメモがわりに手順を作成しました。

参考程度にどうぞ

前準備
まずはネットでハードディスク交換の手順を調べます。

googleで”imac mid 2007 hdd 交換”とかのキーワードで検索するとたくさん出てきます。
SSDへの換装が多いようですが付け替えるものが違うだけで基本は同じです。

またYoutubeにもアップされているので事前に観てイメージトレーニング。

とか

ここからが実際の作業記録です。

実際の作業で使用した道具

必要なもの

  • 交換用ハードディスク
    HITACHI Deskstar HDP725050GLA360
  • 吸盤(100円ショップで購入した吸盤フックで代用)
    vacuum
  • トルクスレンチ T8
    TORX
  • 精密ドライバ
  • 壊れても凹まない覚悟

場合によって必要となるもの

  • 接着剤

あると便利なもの

  • ピンセット
  • エアダスター
  • 液晶を拭く布
  • マスキングテープ(セロハンテープでも可?)
  • つっかえ棒になりそうなもの(20cm位)
  • ほこりの立たない部屋

1.最初に本体下部のメモリ交換時に外すふたを精密ドライバを使ってねじを緩めて外します。
cover

2.液晶の保護ガラスを外します、これは磁石でくっついているだけなので吸盤をつけてまっすぐ引っ張ると簡単に外れます。吸盤の横の○は蛍光灯の写りこみです。
glass

3.シルバーの外枠を外す為にトルクスレンチを使用して液晶を取り囲むようにして固定してあるねじを外します。このとき液晶は保護されていないのでトルクスレンチを落としたりして傷をつけないように注意しましょう。
ねじは全部で12本あります、全部トルクスレンチのT8で外れますがねじの長さが違うので外した場所をメモするか外したとおりに並べておきましょう。
outside
bolt

4.液晶の上部にあるiMac内蔵フロントカメラiSight用の配線を外します。ちょっと引っ込んでいる場合があるのでピンセット等で引っ張り出すと楽です。
isight

5.ねじを12本外して、iSightの配線を外したらシルバーの外枠をはずします、今回は本体上部側を持ち上げるようにして外しました。
outside2

6.液晶をとめているねじをまたトルクスレンチを使って外します。ねじは両脇に4本ずつ計8本あります。長さはすべて同じのようなのでひとまとめにしておきます。
outside3

7.本体上部側から液晶を持ち上げます。このときゆっくり持ち上げてください、一気に持ち上げると液晶裏側の配線が外れ元の接続方法がわからなくなる可能性があります。
inside

液晶をゆっくり持ち上げると右側にカプラーでつながれた配線が2本見えます。この配線は両方色が似ているのでどちらかの配線にマスキングテープで印をつけて元通り接続できるようにしておきます。
connect

8.配線に印を付けたらカプラーを外しさらに液晶を持ち上げます、このとき奥にも同じような配線が見えますがそちらは外さなくてよい程度の高さでハードディスクの交換作業はできそうなのでそのままにしておきます。

9.右側につっかえ棒をして液晶を持ち上げたままにします。
stand

10.ハードディスクの軸付近(中央部)にスポンジに隠れて温度センサーが取り付け部品で固定されて付いているので外します、このスポンジと温度センサーの取りつけ部品は粘着部ののりも含めて再利用するので丁寧にはずします。
sensor

11.ハードディスクは手前の爪と奥側のピンで固定されています。手前の黒い部分の構造をよく確認した後、奥に押しながら持ち上げる感じで手前の爪を外します。このとき結構力を入れないと外れないので液晶のつっかえ棒が外れたりしないよう注意しながら作業します。どうしても外れない場合は黒い部分を先にハードディスクからトルクスレンチでねじ2本外した後に黒い部分のみ左右にずらして外す方法もあるようです。
HDD_set
HDD_set2

12.黒い部分の爪が外れたら少し持ち上げた状態でハードディスク右側に接続されているSATAのケーブルと電源ケーブルを外します。
cablecable2

13.ケーブルを2本外したらハードディスクを手前に引くようにして本体から取り外します。
after

14.ハードディスク本体についている黒い固定ステーと反対側についている固定用のピン2本をトルクスレンチを使用して外し、新しいハードディスクに取り付けます。
ハードディスク裏側にテープを丸めたような固定用?のものがあるのでそれも付け替えておきます。
bolt2

15.これでハードディスクの取り外しは完了です、この後の取り付け作業は基本的に今までの作業手順を反対に実行していきます。

ハードディスクの取り付け及び、組み立て。

16.新しいハードディスクを固定用のピンを奥側にして元の位置に持っていきSATAのケーブルと電源ケーブルを接続したのち固定用ピンが奥の穴にはまるようにして設置します、黒い固定部品が爪にしっかりはまるよう上から少し力を入れて押し最終的に固定します。
17.ハードディスクの温度センサー取り付け部品を取り外した時と同じような場所に固定します。このときのりが弱くなってつかないようであれば接着剤等で固定した方が良いかもしれません。また新しいハードディスクの形状により同じ場所につけるのが困難なようであればハードディスクの軸から同じ位の距離で貼れる場所を探して貼るのも良いかもしれません。
18.ハードディスクの温度センサーの取り付けが出来たら上からスポンジをかぶせます。これものりが弱くなって付かないようであれば接着剤等の利用を考えましょう。
19.ここまでできたらもう一度ハードディスクの固定がしっかりできているか、SATAのケーブルと電源ケーブルがしっかりささっているか再確認します。
20.確認できたらつっかえ棒を外し、ゆっくりと液晶をおろしマスキングテープで印をつけた配線を元通りに接続します。
21.そのままゆっくり液晶をおろし元の位置にはめます、本体両脇のねじ穴があっているかとiSightの配線が液晶の下に隠れていないか確認します、まれに絶縁テープがずれてねじ穴をふさいでいたり配線が液晶の下に隠れてしまっている場合があるので確認します。
isight2

22.液晶をねじ8本で固定します。
23.シルバーの外枠を奥側(本体下部、メモリー装着)からかぶせるようにはめてiSight用カメラの配線を接続します。
24.長さの違うねじが混ざっているので場所をまちがえないようにねじを12本しめて外枠を固定します。長いねじ4本は液晶下部Appleのロゴマーク側のねじになります。
25.液晶にほこりが付着している場合はエアダスター等で取り除きます。もし触ってしまっていたら液晶用のクリーナでふき取ります。
26.液晶の保護ガラスも指紋やほこりが付いているようであれば取り除いた後、まっすぐおろすようにしてとりつけます。
27.液晶の保護ガラスから吸盤を外します。
28.最初に外した本体下部のメモリ交換時に外すふたを取り付けます。

以上でハードディスクの交換作業は終了。

後は電源ケーブルとキーボード、マウス等を接続してOSを再インストール開始。

故障前に使用していた”OS X v10.9 Mavericks”はすでにAppStoreにはなく新しく発表された”OS X v10.10 Yosemite”の正式リリース版になっている。そして我が家のiMacはiMac(20-INCH MID 2007)なのでギリセーフ。
Yosemite_version

電源をいれ”Mac OS X v10.6 Snow Leopard”のDVDを挿入して再起動。
起動音がしたらキーボードの”C”を押したままにする。Appleのロゴが出てきたらキーを離してDVDからOSを起動。

ディスクユーティリティからパーティションを作成して一旦”Mac OS X v10.6 Snow Leopard”をインストール。
そのままだとYosemiteへのアップグレードが出来ないのでセキュリティアップデートを適用してマイナーバージョンをアップ。
その後Yosemiteへアップグレード
なんとか復旧完了。
yosemite

起動直後のメモリの使用状況はこんな感じ。

memory

Yosemiteインストール後にやったこと。

システム環境設定からアクセシビリティで透明度を下げるにチェック
degree

システム環境設定からネットワークの詳細を開いてTCP/IPタブ内IPv6の設定をリンクローカルのみに設定
ipv6

あとWi-Fiは使ってないので切に設定。
wi-fi

あと気をつけるのは
・ごみをまめに捨てる(ゴミ箱を空にする)。
・デスクトップにファイルを置かない。
・通知センターをシンプルに
かな。

とりあえずこれで様子を見ようかと

今回はまだこのiMacが最新のMac OS対応機種に入っていたので復旧できましたがおそらく次のMac OSでは非対応機種になると思われるので早いうちにYosemiteのインストールメディアを作成しておかなければ・・・・・